江戸ガラス4 粗煮(あらに)

調合された材料は、これから粗煮、精煮の2段階を経る。
1度溶かすだけでは、材料が均一にとけず、ガラスの中に粒が残るので、
1度溶けたガラスを、水をはったバケツに取り出し、乾かし、
再度ポットミルで粉砕して粉にする。
そしてもう一度溶かして(精煮)、完成となる。

工房のSさんによって再現された江戸時代の熔融窯。
れんがを積み上げた中に、小型の壺が入っている。

江戸ガラスの粗煮

後ろからは、なんと乾燥機で空気を送り込んで火をおこす。
画期的!

江戸ガラスの粗煮

江戸時代にはガラス熔融の為に、木炭が用いられていた。
今回は、バーベキュー用の木炭を用いる。
といっても、ガラスが溶ける温度に達するまで
どれだけの木炭を使うのだろう、、
ゆっくり温度をあげていかないと壺が割れてしまうため、
工房の方々が一晩徹夜で木炭を少しずつ投入し、
火をたやさないように気をくばる。

江戸ガラスの粗煮

粗煮当日の朝には、窯は1000度にあがっていた。

江戸ガラスの粗煮

いよいよ材料を投入。
一気に材料を全部いれてしまうと、急な温度差で壺が割れてしまうため、
少しずつ投入しては、フタをして、また木炭を入れて
900度くらいに下がった温度を1100度くらいまであげてゆく。
この作業を、全部材料がなくなるまで続けて、すべて投入したら
しばらく煮る。

江戸ガラスの粗煮
江戸ガラスの粗煮

木炭が燃える火の勢い、半端無い。

江戸ガラスの粗煮

すっかり溶けて様子をみる。
ガラスになっています!
あの、山の岩が、、、
ガラスになっています!!!

江戸ガラスの粗煮

温度が熱いと黄色いのですが、冷めたら透明のガラスになりました。

江戸ガラスの粗煮

せっかく溶けたのですが、このままではまだ純度は低いので
溶けたガラスを全部水の中にかいだします。

江戸ガラスの粗煮

つぼの底には分離した鉛が溜まっていました。
このまま放置すると、鉄分が壺を浸食して穴をあけてしまうので、
これも全部スプーンでとりだします。
結構な量。

江戸ガラスの粗煮
江戸ガラスの粗煮

かい出したガラスは、乾かして、再度ポットミルで粉砕して
粉にします。
次はいよいよ最終段階の精煮です。


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