調合された材料は、これから粗煮、精煮の2段階を経る。
1度溶かすだけでは、材料が均一にとけず、ガラスの中に粒が残るので、
1度溶けたガラスを、水をはったバケツに取り出し、乾かし、
再度ポットミルで粉砕して粉にする。
そしてもう一度溶かして(精煮)、完成となる。
工房のSさんによって再現された江戸時代の熔融窯。
れんがを積み上げた中に、小型の壺が入っている。
後ろからは、なんと乾燥機で空気を送り込んで火をおこす。
画期的!
江戸時代にはガラス熔融の為に、木炭が用いられていた。
今回は、バーベキュー用の木炭を用いる。
といっても、ガラスが溶ける温度に達するまで
どれだけの木炭を使うのだろう、、
ゆっくり温度をあげていかないと壺が割れてしまうため、
工房の方々が一晩徹夜で木炭を少しずつ投入し、
火をたやさないように気をくばる。
粗煮当日の朝には、窯は1000度にあがっていた。
いよいよ材料を投入。
一気に材料を全部いれてしまうと、急な温度差で壺が割れてしまうため、
少しずつ投入しては、フタをして、また木炭を入れて
900度くらいに下がった温度を1100度くらいまであげてゆく。
この作業を、全部材料がなくなるまで続けて、すべて投入したら
しばらく煮る。
木炭が燃える火の勢い、半端無い。
すっかり溶けて様子をみる。
ガラスになっています!
あの、山の岩が、、、
ガラスになっています!!!
温度が熱いと黄色いのですが、冷めたら透明のガラスになりました。
せっかく溶けたのですが、このままではまだ純度は低いので
溶けたガラスを全部水の中にかいだします。
つぼの底には分離した鉛が溜まっていました。
このまま放置すると、鉄分が壺を浸食して穴をあけてしまうので、
これも全部スプーンでとりだします。
結構な量。
かい出したガラスは、乾かして、再度ポットミルで粉砕して
粉にします。
次はいよいよ最終段階の精煮です。